矯正で上の7番(第2大臼歯)を抜くのは間違い?適応条件と注意点
「矯正で7番を抜くと言われた。これは変な治療ですか?」
結論から言うと、上の7番(第2大臼歯)を抜歯してスペースを作る設計は、条件が合えば合理的になり得る一方で、条件が合わないと不利になります。重要なのは「抜くか/抜かないか」ではなく、なぜ7番なのかを、診断と設計で説明できるかです。
7番(第2大臼歯)とは
歯の番号で「7番」は、前から数えて7番目の奥歯です。専門用語では第2大臼歯と呼びます。さらに奥にある親知らずは「8番」です。
・7番=第2大臼歯(奥歯)
・8番=親知らず(第3大臼歯)
なぜ7番を抜歯して矯正するのか
矯正でスペースを作る方法として有名なのは、4番(小臼歯)を抜歯する設計です。一方、症例条件によっては、奥歯側(7番)でスペースを作り、親知らず(8番)の萌出(ほうしゅつ:生えてくること)を治療計画に組み込む考え方が検討されることがあります。
ただし、これは「誰にでも」適用できる方法ではありません。8番がどの方向に生えそうか、咬み合わせの条件、歯の状態(むし歯・詰め物・歯根の状態)など、評価項目が増えます。
7番抜歯が検討される条件(適応)
7番抜歯が検討されるのは、例えば次のような条件が揃うときです(いずれも「診断が必要」です)。
- 7番に保存性の問題(大きな詰め物、歯質の欠損、将来の予後が不利など)がある
- 8番(親知らず)の条件が良く、代替として機能し得る見込みがある
- 奥歯側でスペースを作ることが、全体設計(咬合・歯列弓)に合う
- 前歯の位置を必要以上に下げない設計が必要(顔貌・機能の両立)
メリットになり得る点
- 4番抜歯(小臼歯抜歯)を回避できる可能性がある(症例条件による)
- 奥歯側の整理で設計が成立する場合、前歯の位置を過度に後退させない設計につながることがある
- 7番の状態が不利な場合、将来のトラブルを減らす方向になることがある
ただし、これらは「条件が合う場合」に限ります。メリットを目的化せず、適応の確認が先です。
注意点・リスク(適応外のときに起きやすいこと)
- 8番がうまく機能しない条件だと、奥歯の咬合が不安定になり得る
- スペースの使い方を誤ると、歯列の形や咬合誘導(噛み合わせの導き)に影響が出る
- 7番の抜歯は「虫歯などの病名」がない場合、保険の扱いが絡むことがあり、費用面の説明が必要になる
7番抜歯は、一般的な4番抜歯よりも「症例条件の評価項目が多い」設計です。説明が曖昧なまま進めるのが最も危険です。
インビザラインで設計するときの視点
マウスピース矯正(インビザライン)で7番抜歯を含む設計を検討する場合、当院では「装置」より先に、次を確認します。
- 画像診断(成人はCT、成長期はセファロ分析など)で安全域と歯根位置を確認する
- 8番の萌出予測と、咬合の安定をどう作るかを設計する
- 前歯の角度(トルク)と、口元・機能のバランスを設計する
- 治療途中でズレた場合に、計画修正(追加アライナー等)を前提として組む
当院は、ワイヤー矯正は原則用いず、装置が使えない一部症例にのみ補助的に使用します。成人矯正ではCT診断を、成長期にはセファロ分析を必須とし、感覚や印象で診断せず「根拠ある設計」を徹底します。
よくある質問(FAQ)
Q. 7番抜歯の矯正は「変」な治療ですか?
A. 条件が合えば合理的になり得ますが、適応が限られます。重要なのは、7番を選ぶ理由を診断と設計で説明できるかです。
Q. 4番抜歯より良いのですか?
A. 優劣ではなく「適応」です。4番抜歯が合理的な症例もあります。7番抜歯は評価項目が多く、適応外では不利になり得ます。
Q. インビザラインでもできますか?
A. 症例条件と設計次第です。画像診断・咬合設計・計画修正の方針が揃っているかが重要です。
Q. 相談では何を持っていけば良いですか?
A. 現在の説明資料(検査結果、治療計画、抜歯部位の説明)があれば持参してください。「なぜ7番なのか」「8番はどう扱うのか」を整理して確認します。
当院の設計方針・相談方法
こむら小児歯科・矯正歯科(〒561-0881 大阪府豊中市中桜塚5-14-4)TEL:0120-55-8249 桜塚高校の東160m.
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(日曜日は月3回、矯正のみ 10:00~12:40)