『お口ポカン』とは、安静時に口が開いた状態(口唇閉鎖不全)を指します。大きな異常を直ちに意味するわけではありませんが、放置すると不利益が生じることがあります。
お口ポカンがもたらし得る影響
- 姿勢への影響:口呼吸が続くと下顎が下がり、舌位が前方化しやすく、猫背傾向を助長する可能性
- 睡眠の質:いびき・熟眠感の低下につながることがある
- 口腔衛生:乾燥により自浄作用が低下し、むし歯・歯周病・口臭のリスクが高まる可能性
- 感染リスク:鼻呼吸のフィルター機能を使えず、上気道感染に罹患しやすくなる可能性
- 顔貌の変化:長期の口呼吸習慣は、いわゆる「アデノイド顔貌」に似た顔立ちを呈することがある
主な原因
舌癖:舌を前方へ突き出す習慣は、前歯の開咬や歯列の不安定化、口呼吸傾向につながります。
○ 正しい舌先の位置:上顎前歯の裏側のふくらみ(スポット)直後
× よくない位置:下顎前歯の裏側
生活習慣・背景要因:指しゃぶり・爪/唇咬み・舌突出癖・口呼吸・軟食化など。鼻炎・アレルギーで鼻が使えない状態が続くと、舌位が低くなりやすく、顎発育や歯列アーチに影響します。
先天的要因:骨格性の受け口傾向、舌小帯短縮による舌運動制限、巨舌など。
お口ポカンは医学用語で口唇閉鎖不全と呼ばれます。適切な食習慣や検査・対処により、発達段階での改善が期待できる場合があります。
MFT(口腔筋機能療法)の役割
口周り(舌・唇・頬・咬む筋・咽頭)の協調を回復し、舌位・唇閉鎖・鼻呼吸を習慣化するための訓練です。咀嚼・嚥下・発音の効率化にも寄与します(個人差あり)。
基本トレーニング(例)
① スポットポジション:上顎前歯裏のふくらみ直後に舌先を置く習慣づけ。割りばし等でポイントに触れてから、舌先で同部位に3秒×5回。
② ポッピング:舌背全体を上顎に吸着→口を大きく開けて舌小帯を伸ばす。下顎は真下に開閉、舌先はスポット。
③ ポスチャー:ストローを上顎犬歯後方に当て、軽く咬合。舌を上顎に吸着し5分維持。読書やTVをしながら安静時舌位を学習。
④ いー・うー・もー体操:表情筋のトレーニング。各20〜30秒×5〜8回を1日2セット。
当院では、必要と判断したお子さまに保険の範囲で指導を行っています(適用は個別判断)。
当院のインビザライン症例が2018年、公式ギャラリーに掲載されました。
Align Global Gallery(掲載症例)▶

インビザライン・ファカルティは、アライン社が講師活動を行う歯科医に付与する称号です。必要に応じて外部講師との連携により、設計の妥当性を検証しています。
2022年:プラチナ(社内区分)

