
一般に、小学高学年前後からは骨が徐々に硬くなる傾向があり、早い時期の設計が有利に働く場合があります。
7歳前後から設計を始める意義
- 成長の力を活かして土台(あごのアーチ)を整えやすい
- 将来的な抜歯回避を検討しやすくなる(個別の骨条件により異なります)
- 顔貌・呼吸・姿勢など全体の調和を見据えた設計を行いやすい
- かみ合わせの誘導を進めやすい

だからこそ、早めの相談と見立てが大切です。
はじめに「きちんと調べる」ことが大切です
設計は検査と診断から。
当院では、セファロレントゲン(側貌規格写真)などを用いて、あごの形や歯の生え替わりの方向性を立体的に把握します。

同じ「上の前歯が出ている」でも、原因や骨格はさまざまです。



これらがいくつも重なることもあり、タイプによって導き方(設計)が変わります。
検査なしで進めるのは、設計図なしで家を建てるようなもの。まずは現在地を正しく把握しましょう。
診断→設計→観察→必要なら再設計という流れが、安定した結果に近づく王道です。
治療は2段階で考えます
【前期(第一期)】 7歳ごろ〜
- アーチ(土台)の幅と形を整える設計
- 上あごと下あごのバランス誘導
- 鼻呼吸・睡眠の質・姿勢など生活背景の見直しを併行

この時期にしか導けない重要なステップです。
【経過観察】
- 大人の歯への生え替わりを定期チェック
- 必要なら短期間の装置で微調整
- 状況によっては写真のオンラインチェックも活用
【後期(第二期)】 中学生以降
- 永久歯がそろってから、一本ずつの最終配置を設計
- 骨の厚み・歯根の方向を確認し、安全域を守ることを重視

前期で土台をつくっておくと、後期が短く・軽く済む、あるいは抜歯回避につながる場合があります(個別差があります)。
インビザラインってどんな方法?
インビザラインは、透明のマウスピースを段階的に交換しながら配置を導く設計です。
【主な特長】
- 目立ちにくい
- 食事や歯みがきの際に取り外せるため衛生管理がしやすい
- 部活動(スポーツ・楽器)と両立しやすいと感じる方もいる
- デジタル設計で見通しを共有しながら進めやすい
最新のCTレントゲンを併用することで、骨条件まで把握し、安全域を守る設計がしやすくなります。
【前期向け】
→ インビザライン・ファースト(おおよそ7〜10歳)
【後期向け】
→ インビザライン・コンプリヘンシブ(11歳〜成人)
なぜ「専門の診断」が必要?
矯正は早く、正確にスタートすることが大切です。
専門の診断では、検査にもとづき
- 難易度とリスクの見立て
- 期間と費用の目安
- 装置の選択肢と進め方
を整理できます。初期の見立ては、その後の方針と結果に直結します。

当院では、小児歯科の知見とデジタル設計を組み合わせ、その子の未来に寄り添う計画をご提案します。
まとめ
✅ 7歳前後の相談が目安(個別差があります)
✅ はじめにしっかり検査→診断→設計
✅ 前期で土台をつくり、後期で最終配置へ
✅ インビザラインは目立ちにくく、衛生管理・両立のしやすさが特長
✅ まずは専門の診断で現在地を確認しましょう
