セファロ分析が必要な理由|成長期の矯正で「最初に見るべきもの」
ティーンの矯正は、見えない装置を選べば自動でうまくいく治療ではありません。
本当に重要なのは、成長の段階を読み取り、安全域の中で設計し、途中でズレたら必ず修正できる道筋を先に作ることです。
この「最初の読み取り」を支える検査が、セファロ分析です。
セファロを省くと、見た目は整っても「成長の変化で計画が揺れる」リスクが残ります。
そもそもセファロ分析とは何か
セファロ分析とは、頭部X線規格写真(セファロレントゲン)から、
顎の位置関係・成長方向・歯の傾きを、数値と基準で評価する方法です。
セファロで分かること(ティーン矯正で重要な部分)
- 上顎と下顎の前後関係(どちらが前後にあるか)
- 顎の成長方向(前に伸びやすいのか、下に回りやすいのか)
- 前歯の角度(これ以上傾けると無理が出るか)
- 噛み合わせをどこへ導くのが自然か(骨格に合うゴール)
ティーン矯正では、歯だけではなく「土台(骨格)」も動いている最中です。
だから、歯だけを見てゴールを先に決めると、あとで無理が出ることがあります。
ティーン矯正でセファロが必要になる理由
理由1:同じ歯並びに見えても、成長の段階が違う
ティーンの歯並びは、見た目が似ていても、成長の段階がまったく違うことがあります。
ここを読み間違えると、「今は整ったのに、成長でズレる」という事態が起こります。
理由2:「変えられる部分」と「変えられない部分」を分けるため
矯正は万能ではありません。
変えられる部分(歯の位置・噛み合わせの調整)と、変えられない部分(骨格タイプの本質)を混同すると、
無理なゴール設計になりやすくなります。
セファロは、この境界線を「感覚」ではなく、評価軸として持たせます。
結果として、過剰な設計を避ける方向に働きます。
セファロだけでは足りないこともある
セファロは成長の読み取りに強い一方で、
歯根と骨の距離までは、セファロ単独では十分に判断できない場面があります。
そこで必要に応じて併用するのが、CT(3Dレントゲン)です。
「歯だけの情報」で設計すると、限界が見えなくなる
ティーン矯正でも、「歯と歯ぐきの見た目」だけで設計すると、限界が見えにくくなることがあります。
見た目はきれいに見えても、骨の条件が厳しいケースは存在します。
この状態で進めると、途中でズレが出たときに、
「なぜズレたか」「どこまで戻すべきか」の判断が難しくなります。
ティーン矯正で大切なのは、ズレを前提に、必ず戻せる設計にしておくことです。
まとめ|セファロ分析は「今のため」ではなく「将来のため」
セファロ分析を行う目的は、「今すぐ歯を動かす」ためではありません。
成長の変化を前提に、無理のない道筋を設計し、将来の安定性まで見通すためです。
当院では、できることを増やす前に、
やってはいけないこと(無理なゴール・安全域を超える設計)を避けることを最優先にしています。
※このページは、診断と設計の考え方を説明する目的で作成しています。検査の要否は症例の条件により判断します。