
率直にお伝えします。マウスピース矯正(インビザライン)は、歯のねじれ(捻転)を直すのが、ワイヤー矯正に比べると少し時間のかかる動きです。
理由は単純です。捻転を直すには歯を回転させる必要がありますが、犬歯や小臼歯のように断面が丸い歯ほど、マウスピースが歯をつかみにくく、回転の力が伝わりにくいのです。形が丸いものは、回そうとする力が逃げやすい、とイメージしてください。
ただ、苦手というのは「できない」ではなく「ひと工夫いる」という意味です。
当院では、捻転のある歯には次の対応をしています。
ひとつは、アタッチメントの設計です。歯の表面に小さな突起(歯と同じ色のレジン)を計画的に貼り、マウスピースが力を伝える「取っ手」を作ります。捻転の方向と量に合わせて、形・大きさ・位置を一本ずつ決めます。
ふたつめは、設計段階で「少し多めに動かす」計画を組むことです。捻転は元に戻りやすい動きなので、目標よりやや大きめに動かし、最終位置で安定するように計画します。当院では ClinCheck という設計ソフト上で、一本ずつ確認して修正しています。
みっつめは、リファインメントです。最初の計画でやり残しがあった場合、追加のマウスピースを作り直して最後まで仕上げます。途中で打ち切らない。これは2012年から続けている当院の姿勢です。
もう一点、書いておきたいことがあります。
捻転がとくに強い症例では、当院もワイヤー矯正をおすすめすることが多くあります。マウスピース矯正でも対応は可能ですが、治療期間が大きくのびる、または仕上がりに細部の追い込みが残りやすい、と判断したときは、ワイヤー矯正の方が患者さんの利益になると考えています。当院はインビザラインを中心に診療していますが、すべての症例にマウスピースが向いているとは申し上げません。
また、症例によっては、マウスピース矯正に部分的にワイヤー装置を併用させていただくことがあります。その場合は、装置の処置料として5,000円(税別)、または観察のみのご来院では2,500円(税別)を別途いただいております。
苦手な動きがあることを正直にお伝えしたうえで、ひと工夫を重ねて結果を出す。これが、当院がインビザラインで矯正治療を続けてきた理由です。
ご相談はいつでもお気軽にどうぞ。



