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なぜ大人の矯正には特別な配慮が必要なのか
子供の矯正と大人の矯正は、似ているようで実は大きく違います。
子供は顎の骨が成長段階にあり、骨も柔らかく、歯を動かす環境としては比較的おだやかです。一方、大人の場合は骨の成長がすでに終わっており、骨の代謝も遅く、硬くなっています。さらに、歯周病をはじめとする口腔内トラブルのリスクも高まっています。
つまり、大人の矯正では「すでにできあがった骨の中で、無理なく、正確に歯を動かす」ことが絶対条件になります。そのためには、お一人おひとりの骨や歯の状態を正確に把握することが欠かせません。
1. 骨の状態を正確に知る ―― CTレントゲンの役割
通常のレントゲンは2次元の画像です。しかし、大人の矯正を安全に進めるためには、それだけでは情報が足りません。
たとえば、下の画像は通常のレントゲンです。一見、特に問題はないように見えます。

ところが、同じ部位をCTで見てみると――

赤く示された部分の骨に、特に注意が必要なことがわかります。通常のレントゲンでは見えなかった情報です。
CTレントゲンでわかること
■ 骨の状態を立体的に把握できる
- 3次元で骨密度や骨量を正確に評価できる
- 歯根の長さや向き、周囲の骨の状態を立体的に確認できる
■ 治療計画を精密に立てられる
- 歯の移動方向や距離を正確に計画できる
- 骨の状態から適切な矯正力を判断できる
- 予想される問題点を事前に把握できる
■ リスクを事前に評価できる
- 歯根が短くなるリスクを評価できる
- 神経や血管の位置関係を把握し、損傷を防げる
- 歯周組織の状態を詳細に確認できる
CTレントゲン検査は、大人の矯正治療を安全に進めるための「診断の土台」です。
2. 歯型を正確に取る ―― iTeroスキャナーの役割
骨の情報をCTで得たら、次は歯そのものの形を正確に記録します。ここで活躍するのが、口腔内専用の3Dスキャナー「iTero」です。
従来のシリコンによる歯型取りは、苦しさを感じる方も多い処置でした。iTeroスキャナーを使うインビザライン治療では、その苦しい歯型取りが不要になります。

さらにiTeroは、単に「楽になる」だけではありません。お口の中を高精度な3Dデータとして取り込めるため、CTで得た骨の情報と組み合わせることで、より精密な治療計画につながります。
3. 精密なデータがあるからこそ、無理のない設計ができる
CTで骨の状態を把握し、iTeroで歯の形を3Dデータ化する。この2つの精密なデータが揃って初めて、本当に精密な治療設計が可能になります。
成人矯正では、骨の中で無理なく正確に歯を動かすことが重要です。
CTレントゲンの情報をもとに精密に設計できる「インビザライン・コンプリヘンシブ」は、その点で非常に安全性の高い治療法です。
マウスピース矯正の鍵は、”正しい設計”
マウスピースを正しく設計することで、これまで抜歯が必要とされていたケースでも、歯を抜かずに矯正できる可能性が大きく広がっています。
ワイヤー矯正では、小臼歯を抜くのが一般的でした。歯を抜くことへの不安や、「老けて見えるのではないか」という懸念から、治療をためらう方も少なくありませんでした。
お一人おひとりに合わせた精密な治療計画が、無理のない矯正を可能にします。

アウトカムシミュレーターについて ―― ご注意ください
iTeroには「アウトカムシミュレーター」という、治療後の見た目をシミュレーションする機能があります。見た目のインパクトは大きいですが、あくまでマーケティングツールであり、実際の治療結果を保証するものではありません。
実際の治療計画は、CTやiTeroのデータをもとに、歯科医師が一人ひとりの状態を診て設計します。シミュレーターの画像と実際の治療結果は別物ですので、参考程度にとどめてご覧ください。
矯正力のかけ方の違い:1ヶ月調整と1週間交換
地図にあたる情報(CT)があっても、そこにどのような強さと頻度で力をかけるかによって、歯や骨への負担は変わります。こむら矯正歯科がマウスピース矯正(インビザライン)を重視する理由は、見た目だけではなく、力の設計を細かく分割しやすいことにあります。
- ワイヤー矯正(1ヶ月に1回の調整が多い):調整のタイミングで、次の来院までの期間を見越した力を一度に加えます。適切に管理されていれば標準的な治療方法ですが、初期に比較的強い力が集中しやすく、移動距離が大きい部位では歯や骨への負担が増える可能性があります。
- マウスピース矯正(1週間前後での交換が多い):1枚ごとの移動量を小さく設定し、複数ステップに分けて歯を動かす設計ができます。各ステップで加わる力を比較的コントロールしやすく、予定通りに動いていない場合はマウスピースが浮いてくることで異常が分かりやすくなります。その時点で計画の見直しや追加のアライナー作成を行うことで、過度な負荷が継続することを避けやすい仕組みになっています。
CTで骨の状態と許容範囲を把握し、その情報をもとにマウスピースで力の大きさと段階を設計する。これが、当院が大人の矯正治療を行ううえでの安全管理の基本的な考え方です。
よくあるご質問(FAQ)
Q. CTレントゲンは本当に必要ですか?
A. 安全に歯を動かすために、当院では成人の矯正でCT(三次元)診断を欠かせないものと考えています。骨の厚みや神経の位置、歯根の周囲にどれだけ骨が残っているかは、二次元のレントゲンや外から見ただけでは把握できません。これらを確認しないまま歯を動かすと、歯根が短くなったり、骨の外側へ押し出してしまうリスクが高まります。当院は推測ではなく、三次元データに基づいて診断・設計することを安全管理の基本としています。
Q. CT撮影には追加料金がかかりますか?
A. 当院の精密検査費用の中に、必要なCT検査は含まれています。撮影のたびに別途料金が発生することはありません。費用面を気にされることなく、必要な検査を受けていただけるように設計しています。
Q. 40代・50代でも矯正は可能ですか?
A. はい、可能です。ただし、歯を支える骨や歯周組織の状態が良好であることが前提となります。年齢よりも、現在の歯ぐきや骨の状態が重要です。そのため、CTや歯周検査を含めた精密な診断を行い、無理のない範囲でゆっくりと移動させる設計を行うことが大切です。
院長より ―― 私自身もインビザラインを使っています
夜間にナイトガードを使うだけではもったいない――そう感じて、私はその時間を活かして歯並びの改善にも取り組むことにしました。今ではインビザラインを使った矯正治療を実践中です。
患者様にお勧めする治療を、自分自身でも体験する。そうすることで、治療中の感覚や注意点を、より実感を持ってお伝えできると考えています。
常時アンケートを実施しています
院内でのアンケート調査を日々行い、患者様のご要望に沿った改善ができるよう心がけています。
・高評価の院内アンケート結果▶
・低評価の院内アンケート結果▶





