【小児矯正の入口】成長を利用した“自然な歯並び”のつくり方|豊中市

小児歯科と小児矯正を、一緒に考える理由

小児歯科で行うことは、むし歯の治療や予防だけではありません。
乳歯から永久歯へ生え変わる時期には、噛み合わせ・顎の成長・歯ならびが同時に変化します。
そのため当院では、小児歯科と小児矯正を別々のものとしてではなく、成長全体を見ながら一体として考えることを大切にしています。

このページでは、小児歯科でどのような点を確認し、どのような場合に小児矯正(インビザライン・ファーストなど)を検討するのか、
医学的な考え方と当院の方針をできるだけ分かりやすく整理します。

01. 小児歯科で見る「歯ならびのサイン」

小児歯科の診療では、むし歯や歯肉の状態に加えて、次のような点を必ず確認します。

  • 乳歯と永久歯の生え変わりの順番・時期
  • 上下の歯の噛み込み方(前歯・奥歯ともに)
  • 顎の幅や、上顎・下顎の前後バランス
  • 口呼吸・指しゃぶり・舌の位置などの習慣

これらは、単に見た目の問題ではなく、将来の噛みやすさ・発音・顎関節への負担にも関わる要素です。
「少し気になるけれど、すぐ矯正が必要なのか分からない」という場合でも、成長の経過を前提にした記録を残しておくことが重要です。

02. 咬合誘導という考え方

当院では、小児期の治療方針の軸として咬合誘導(こうごうゆうどう)という考え方を重視しています。
咬合誘導とは、歯が生えてくる方向や時期、顎の成長の特徴を理解したうえで、噛み合わせがより健康な方向に向かうように導く考え方です。

具体的には、次のような方法が含まれます。

  • 乳歯の早期脱落や、むし歯による咬み合わせの変化を防ぐ管理
  • 永久歯が十分なスペースを得られるよう、顎の幅や生える方向を確認すること
  • 必要に応じて、軽い力で顎の成長を誘導する装置の検討
  • 舌の位置や口呼吸など、習癖の評価と指導

これらは一度で判断が終わるものではなく、定期的な記録と比較を前提にした長期的な取り組みです。
小児矯正は、単に装置を入れることではなく、成長に合わせて経過を観察し、必要なタイミングだけに介入する医療行為です。

03. 萌出(ほうしゅつ)と成長をどう評価するか

歯が口の中に姿を見せることを、歯科では萌出(ほうしゅつ)と呼びます。
萌出の時期や向きには個人差があり、「早い/遅い」だけで良し悪しは判断できません。

当院では、萌出の状態を次のような観点で評価します。

  • 左右差が大きくないか
  • 上下の噛み合わせに不利な方向へ生えてきていないか
  • 顎の大きさと歯のサイズのバランスはどうか
  • 今後生えてくる永久歯(特に奥歯)に十分なスペースがあるか

成長期のお子さまでは、レントゲン写真やセファロ分析(頭部X線規格写真を用いた骨格バランスの分析)を行い、
感覚的な印象ではなく、客観的なデータに基づく評価を重視しています。

04. どのタイミングで小児矯正を考えるべきか

実際に矯正を始める時期は、お子さまそれぞれの成長や歯の状態によって異なります。
次のような場合には、一度ご相談いただくことをおすすめします。

  • 前歯が大きく重なっている、もしくは大きなすき間がある
  • 下の前歯が上の前歯より前に出ている(受け口が疑われる)
  • 奥歯が片側だけ反対に噛んでいる
  • 口を閉じていても前歯が噛み合わず、上下にすき間が空いている
  • 永久歯が生えるスペースが明らかに足りなそうに見える
  • 口呼吸や、長期間続いている指しゃぶりなどの習慣がある

これらに該当するからといって、すぐに装置が必要とは限りません。
「今は経過観察でよいか」「成長のどこかのタイミングで介入したほうがよいか」を、
セファロ分析などの客観的な情報をもとに判断していきます。

小児矯正の考え方や、具体的な診断方法について詳しく知りたい方は、
小児矯正(詳細ページ)はこちらをご覧ください。

05. インビザライン・ファーストを用いた小児矯正

当院の小児矯正では、ワイヤー矯正を原則として用いずインビザライン・ファーストを中心とした治療計画を採用しています。
インビザライン・ファーストは、乳歯と永久歯が混在する時期のお子さまを対象にしたマウスピース型矯正装置で、
成長期の骨格や歯の位置を三次元的に計画しながら、軽い力で歯の移動を行う設計が可能です。

主な特徴は次の通りです。

  • 取り外し式で、歯みがきがしやすく、むし歯リスクを抑えやすい
  • 装置が透明で、日常生活や学校生活で目立ちにくい
  • 成長期の顎の変化を考慮した三次元的な治療計画が立てられる
  • 治療前に、おおよその歯ならびと噛み合わせの変化をシミュレーションで確認できる

ただし、すべてのお子さまがインビザライン・ファーストの対象になるわけではありません。
顎の成長の方向や、歯の傾き・骨格的な要因によっては、他の方法が適している場合もあります。
当院では、セファロ分析を含めた診断を行ったうえで、「装置ありき」ではなく、お子さまの将来の安定性を優先した方法を選択します。

インビザライン・ファーストの詳細については、以下のページでより具体的に解説しています。
インビザライン・ファースト(小児向けマウスピース矯正)について詳しく見る

06. 将来の安定性を重視した診断と設計

小児矯正で最も重要なのは、「今きれいに見えるかどうか」だけで判断しないことだと考えています。
成長期に強い力を加え過ぎたり、将来必要になるスペースを短期的な見た目のために犠牲にしたりすると、
大人になってからの噛み合わせや顎関節に負担が残る可能性があります。

当院では、

  • 成長期にはセファロ分析を必須とし、骨格バランスを客観的に評価すること
  • 必要のない抜歯を避け、将来の口元や呼吸機能への影響も含めて検討すること
  • インビザライン治療歴13年以上の経験をもとに、長期的な安定を意識した設計を行うこと
  • 一時的な見た目だけでなく、噛みやすさ・話しやすさ・維持のしやすさを総合的に考えること

これらを診療の基準として、「本当に健康に資する設計とは何か」を常に問い続ける姿勢を大切にしています。

07. 小児歯科から小児矯正まで、一貫して相談できる環境

むし歯の治療や定期検診、小児矯正の相談が別々の医院に分かれていると、
成長の記録が分断され、お子さまや保護者の方の負担も大きくなりがちです。

こむら小児歯科・矯正歯科では、

  • 小児歯科としての定期管理
  • 成長に合わせた咬合誘導
  • インビザライン・ファーストを中心とした小児矯正
  • ティーン期・成人期までを見据えた長期的な設計

を、一つの方針のもとで検討することができます。
「今すぐ矯正を始めるべきかどうか分からない」「まずは現在の状態を評価してほしい」という段階でも、
結論を急がずに、現時点で分かること・今後の選択肢・急ぐべきかどうかを丁寧にお伝えします。

08. ご相談を検討されている方へ

小児歯科と小児矯正については、情報が多く、意見も分かれやすい分野です。
当院は、特定の装置や方式を押し付けるのではなく、医学的な根拠と、お子さま一人ひとりの将来を見据えた説明を行うことを大切にしています。

「この状態は様子を見てよいのか」「今の時点で何かできることがあるのか」など、
気になる点があれば、小さなことでもご相談ください。

小児矯正の具体的な流れや費用については、以下のページもあわせてご覧いただけます。
インビザライン・ファースト(小児向けマウスピース矯正)
ティーン向けインビザライン矯正

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TEL:0120-55-8249(桜塚高校の東160m)
小児歯科の定期管理から、小児矯正・ティーン矯正まで、一貫した方針でサポートいたします。