矯正治療を受ける前に知っておいていただきたいこと
繊細に、自然な歯並びへ。 / Delicate. Natural.
歯ならびの改善には多くのメリットがありますが、口腔の状態や生活習慣などの違いにより、経過や結果には個人差があります。ここでは、矯正治療に関する一般的な注意点とリスクをわかりやすくまとめました。
1. 目的と長期的な変化
矯正治療の目的は「見た目の改善」と「噛みあわせの確立」です。成長・発育の状況、日々の習慣、もともとの歯ならびの複雑さ等により、必ずしも理想像と同じ結果になるとは限りません。
歯の位置は生涯にわたり変化します。治療を終えた後も、加齢や筋機能などの影響でわずかな変化を感じることがあります。多くは生理的変化で問題ありませんが、必要に応じて保定装置(リテーナー)を適切に用いることで、良い状態を保ちやすくなります。
2. 治療中に起こりうる主な症状
- 歯の痛み・違和感:装置の装着直後や調整直後は、噛んだときに一時的な痛みを感じることがあります。通常は数日で落ち着きます。
- 虫歯・歯周のトラブル・脱灰(初期むし歯):装置の周囲に汚れが残りやすくなるため、ブラッシングやフロスなどの丁寧なケアが不可欠です。間食は控えめにしましょう。
- 口内炎:頬粘膜・口唇・舌にできることがあります。保護用ワックスや塗り薬で対応します。悪化時はご連絡ください。
- 発音の変化:上あご側に装置がある場合、慣れるまで一部の音が出しづらくなることがあります。
- 歯根や歯ぐきの変化・ブラックトライアングル:力のかかり方によって歯根の先端が短く見える、歯ぐきが下がる、歯間に三角形のすき間が見えることがあります。
- 歯髄(神経)のトラブル:稀に神経の反応が弱くなる・痛みが出ることがあります。その場合は適切な処置を行います。
- 顎関節の症状:ごく一部で開口のしづらさ、頭痛、耳鳴り、筋のこわばり等がみられることがあります。
- 抜歯が必要なケース:歯とあごの大きさの不均衡が大きい場合、必要最小限の抜歯を検討することがあります。未萌出の親知らずを事前に抜去する場合もあり、処置は口腔外科専門医に依頼します。
- 治療期間:変化の進み方や通院間隔、日々の取り組みにより前後します。
- 後戻りへの配慮:処置終了後は保定装置(リテーナー)で安定化を図ります。使用方法と時間は保定開始時にご説明します。
3. インビザラインに関する留意点
インビザラインの素材は日本の薬事認証を通過していますが、稀にアレルギー反応が起こる可能性はゼロではありません。異変を感じたらすぐにご連絡ください。
- アライナーは1日20時間以上の装着が必要です。装着が不足すると計画の見直しが必要になる場合があります。
- 歯ぐきの位置が変わって下がって見える、歯根の先端が短く見える、神経の反応に影響が出る場合があります。
- 飲食時はアライナーを外してください。むし歯の原因になります。
- アライナーの着脱は、開始時にお伝えする正しい方法で行ってください。誤った方法は歯ぐきや神経を傷めることがあります。
- 必要に応じて、アタッチメント(歯に近い色の補助装置)や顎間ゴム等を併用します。指示どおりにご使用ください。
- 歯の表面量の調整(IPR:歯と歯の間の微小な削合)を行う場合があります。エナメル質内で行うため、むし歯リスクは一般に低いとされています。
- アライナーを紛失した場合は、1個あたり6,000円+消費税の再製作費用が必要です。発注後は見つかっても費用が発生します。
- 治療途中に、症例に応じてワイヤー装置などを一時的に併用する場合があります。
- 装置作製後、予定治療期間の5年超では、追加の装置代金が必要となる場合があります。来院間隔を6ヶ月以上空ける際は必ずご相談ください。
- 費用は年に一度、メーカーの価格改定により変更となる可能性があります。
- 転勤・転居などで矯正を中止・転医される場合、総額お支払い済みの場合のみ10万円の返金となります。相談料金・検査料金・処置料金は返金対象外です。