歯並びが整うだけでは、ゴールではない理由。

「マウスピースはしっかり使っているのに、なぜか終わらない」

もし、そう感じていらっしゃるとしたら、そこには大切な「最後のピース」が隠れているかもしれません。

それは、私たちがもっとも大切にしている「Oral Form(お口全体の整ったかたち)」に関わるお話です。

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マウスピースとゴムの「役割分担」

インビザラインの治療には、二人の主役がいます。

  • マウスピース:個々の「歯」をミリ単位で整える担当。
  • 顎間ゴム:上下の「噛み合わせ」を正しくつなぐ担当。

たとえ歯が綺麗に並んでも、上下の噛み合わせがズレていれば、それはまだ「完成」ではありません。例えるなら、「立派な扉が二つあるのに、建付けが悪くて閉まらない家」のような状態です。

顎間ゴムをしない日が続くと、歯は指示した場所に動いてくれません。次のステップに進めないので、同じマウスピースを延長して使うことになります。これが積み重なると、治療全体が数ヶ月単位で伸びることがあります。「ちょっとくらい大丈夫だろう」が、じつはとても影響します。

「時間」よりも「距離」で考える

「もう〇年もやっているのに」というお声をいただくことがあります。しかし、矯正治療は期間で測るものではなく、「目標までの距離」で考えるものです。

顎間ゴムを使わない時間は、治療が進んでいないわけではなく、「治療の時計が止まっている」状態に近いのです。どれだけ高精度なマウスピースを使っていても、ゴムという「動力」がなければ、噛み合わせのズレという距離は縮まりません。

治療の主導権は、あなたが握っています

AIが設計するシミュレーション(クリンチェック)は、非常に精度の高い設計図です。しかし、それを実際にあなたの体で動かすスイッチを入れるのは、他でもない患者様ご自身がゴムをかける指先です。

使えていない期間があっても、責めることはしません。ゴムは見えにくい場所につけるもので、慣れるまで時間がかかります。外食のときに外したまま忘れた、というのもよくあることです。ただ、治療が長引く原因をきちんとお伝えするのも、私たちの役割だと思っています。

私たちは、無理に治療を長引かせたいわけではありません。むしろ、最短距離で、もっとも「Delicate. Natural.(繊細で自然)」な仕上がりを手にしていただきたいと願っています。

仕上げが甘いと、なぜ後戻りするのか

矯正治療が終わったあと、歯が元に戻ってしまうことを「後戻り」と言います。後戻りにはさまざまな原因がありますが、その一つが「オーバージェット」の残存です。

オーバージェットとは、上の前歯が下の前歯より前に出ている距離のことです。この距離が適切に整わないまま治療を終えると、下の前歯が上の前歯を裏から支えられない状態になります。支えがなければ、上の前歯は少しずつ前に戻ろうとします。

そのため、オーバージェットが残った状態では、上の前歯の裏側に固定式のリテーナー(細いワイヤーを歯の裏に接着するもの)が必要になることがあります。これは罰則ではなく、せっかく整えた歯並びを守るための「仕上げの一手」です。

だからこそ、「歯が並んだ」だけでなく、「噛み合わせまで整った」状態をゴールにしています。

これからの選択

ここからの治療の進め方には、二つの道があります。

道A:現在の状態を踏まえ、今できる最善のゴールを一緒に設定し直す。ただし、オーバージェットが残っている場合は、上の前歯の裏側に固定式のリテーナーが必要になります。せっかく整えた歯並びを守るために、これは避けられない一手です。

道B:今日からゴムの使用を徹底し、理想の「かたち」を最短で手に入れる。

どちらの道を歩みたいか、ぜひ次回の診察で教えてください。私たちは、あなたが選んだ道を全力でサポートいたします。

ご相談・ご予約

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