
矯正治療を続けていく中で、歯ぐきが下がってくる(歯肉退縮)ことがあります。これは矯正治療に限らず、加齢や歯みがきの圧、噛み合わせの問題などでも起こりますが、矯正中・矯正後に進む可能性もあるため、事前にお伝えしておきます。以下、当院の考え方をお伝えします。
(1) なぜ起きるのか
歯肉退縮は、歯と歯ぐきの位置関係が変わることで起こります。矯正治療では歯を動かしますが、動かす方向によっては、歯の根が歯槽骨(歯を支える骨)の外側ぎりぎりまで来てしまうことがあります。すると、その歯を覆っている歯ぐきが薄くなり、退縮しやすくなります。
(2) 当院が気をつけていること
当院では、ClinCheck の段階で、歯の動きが歯槽骨の許容範囲を超えないかを一本ずつ確認しています。CT 撮影で歯槽骨の厚みを把握したうえで、無理な拡大や移動を避ける設計を心がけています。それでも、骨格の特徴によっては、ある程度の歯肉退縮が避けられない症例もあります。
(3) 歯ぐきを傷める「揺さぶる力」(ジグリングフォース)を避ける
歯を一方向にではなく、行ったり来たりさせるような力(ジグリングフォース)が加わると、歯ぐきへのダメージが大きくなります。当院は、装置や治療設計で、こうしたジグリングフォースが歯にかからないよう注意しています。
(4) 進行を早めに発見する
歯肉退縮の予兆は、検診での観察で早めに気づくことができます。たとえば「最近、歯ぐきがしみる」「歯が長くなった気がする」などの違和感があれば、検診時にお伝えください。
歯肉退縮を完全にゼロにすることは難しい現実です。けれども、設計と力のかけ方で、リスクを大きく下げることができます。当院は2012年からこの点を意識して、生体融和的な治療設計を続けています。
ご質問はいつでもどうぞ。検診時でも、お電話でも構いません。



