
歯並びの問題が、歯だけでなく顎の骨格そのものに起因する場合、矯正治療と顎の手術を組み合わせる必要があります。これを「外科矯正」または「顎変形症の治療」と呼びます。
(1) どんな症例で外科矯正が必要か
受け口の程度が強い、上顎が著しく突出している、顎が大きく曲がっているなど、骨格レベルでズレが大きい場合、歯だけを動かしても限界があります。CT・セファログラム分析で、顎の形と歯の位置関係を診断し、外科矯正の必要性を判断します。
(2) 治療の流れ
外科矯正は、おおむね「術前矯正(1〜2年)」「外科手術(入院)」「術後矯正(1年程度)」の3段階で進みます。
(3) 健康保険の適用
受け口(下の前歯が上の前歯より前に出る噛み合わせ)は、必ずしも「病気」というより、骨格や歯並びの“個性”として現れることがあります。下あごが長い/短い自体を、ただちに異常と決めつけるものではありません。
一方で、受け口は見た目だけの話ではありません。AAO(米国矯正歯科学会)も、受け口(underbite)は噛みにくさ・発音の問題・歯の摩耗・あごの不快感につながり得ると説明しています。外科矯正は、骨格的な受け口に対して確立された保険適用の治療です。
この外科矯正を保険適用で行うには、「顎口腔機能診断施設」として認定を受けた医院で、診断から治療までを一貫して受けていただく必要があります。
当院では外科矯正(あごの手術を伴う治療)は行っておりません。最初の診断の時点で外科矯正の可能性があると判断した場合には、その時点で、自立支援医療(育成医療・更生医療)や顎口腔機能診断施設の指定を受けた医療機関をご紹介しています。治療の途中で紹介するのではなく、最初から最後まで一つの方針でつながることが、より良い結果につながると考えているからです。
受け口そのものについては、受け口の矯正治療についてで詳しくご説明しています。



