深い噛み合わせに、いきなり力をかけない ― バイトランプという考え方

噛み合わせが深い方の矯正では、私たちはバイトランプ(咬合を一時的にわずかに挙上する設計)をしばしば用います。前歯が深く噛み込んだまま歯を動かそうとすると、歯や歯ぐき、歯根に無理な負担がかかりやすくなります。先に噛み合わせをわずかに持ち上げ、奥歯と前歯が干渉しない通り道をつくってから動かす。遠回りに見えても、歯にとっては無理のない順序です。

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装置の名前ではなく、動かす順番と力の設計

動かす順番と力の設計 ― 矯正計画の静物デスクシーン

大切なのは「装置の名前」ではなく、どの順番で、どの程度の力で動かすかという設計です。行きつ戻りつする不安定な力は、歯根や歯ぐきに負担を残します。私たちは一定方向の、無理のない力で動かすことを基本にしています。深く噛み込む状態を放置したまま見た目だけ揃えても、長くは安定しません。土台から整える発想で、噛み合わせの深さそのものに向き合います。

深さを放置したまま進めないのはなぜか

深さに向き合うカウンセリングの場面 ― 成人男性と歯列模型

深い噛み合わせをそのままにすると、前歯どうしが強く当たり続け、歯のすり減りや歯ぐきへの負担、治療後の戻りやすさにつながることがあります。だからこそ、見た目より先に「噛み合わせの深さ」に向き合います。これは将来にわたって歯を守るための順序です。後戻りしやすい所の固定の考え方はディープバイトとオープンバイト ― 後戻りしやすい所をどう固定するか、整えた歯並びの保ち方は保定の考え方でお伝えしています。

噛み合わせの深さや原因は一人ひとり違います。実際にどう進めるかは、検査と診断のうえでご説明します。治療を始める前に知っておいていただきたいことは「聞いていない」を防ぐためににまとめています。

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本記事は一般的な説明であり、個別の診断ではありません。実際の判断は来院・検査が前提です。

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